我が家の愛犬も過去にトラウマがあって、カミナリだけは異常なまでに怖がります。すでに老犬と言われる年齢になりましたが、克服できないままになってしまいました。
実は、1歳を過ぎた夏、仕事の関係から留守番をさせることになり、梅雨も終わりかけのカミナリが発生しやすい季節のことでした、後で近所の人に聞くと、運悪く近くに落雷があったということで、結構な衝撃だった見たいです。
相手はカミナリなので、年に数回起こるほどの自然現象。しつけを行うチャンスもなく今に至ったような次第です。
可哀そうなことに、その “恐怖のカミナリ” を過去何度か経験しており、いつもお風呂場やベットの下などでブルブル震えていたのを思い出します。もっと早くに何らかの方法で克服をさせていたらと、今になって後悔をしております。
今回は、そんな後悔も含めて、「犬が怖がる原因と対策」についてお話をさせていただければと思います。
犬が怖がる原因となるもの
犬が怖がる原因となるものは、音や物に対する外的要因や精神疾患や性格的な内的要因が起因しているものまで、多岐にわたっています。以下は項目別にまとめたものになります。
音や視覚的なことが原因
1.カミナリ
カミナリは日ごろ味わったことがないほどの光と大きな音、そして場合によっては激しい振動を起こします。犬にとってはこれほどの恐怖はないと考えられます。
2.花火
人にとっては楽しい夏のイベントかも知れませんが、犬にとってはこれほど迷惑なものはないのです。花火もカミナリと同様、大きな音と閃光を発します。花火の音と光に恐怖を感じる犬も多くいます。
3.掃除機やドライヤー
音を立てて動く掃除機やドライヤーなどのモーター音がする家電に恐怖を感じる犬も多くいます。
5.交通騒音
交通量の多い道路などでは、車やバイクの音、クラクションなども犬にとっては恐怖の原因になります。
人や犬などの動物が原因
1.見慣れない人
犬には仲間を守ろうとする防衛本能があります。そのため、初めて会った人や見慣れない人に対して恐怖心と警戒心から吠えたり唸ったりする威嚇行動をとることがあります。
2.人の恰好やしぐさ
帽子をかぶっている人や杖を使っている人など、いつもは見たことがない恰好やしぐさは、犬が本能的に警戒する原因になります。
3.他の犬や動物
攻撃的な他の犬に対して恐怖を感じることがあります。特に、過去に嚙まれたり襲われた経験のある犬は恐怖心と警戒心が強くなります。
環境や状況による原因
1.新しい環境
引っ越しなどで知らない場所や環境に置かれた時、神経質な犬の場合、不安感や恐怖心を引き起こすことがあります。
2.動物病院
過去に注射などによる痛い経験や不快な記憶がトラウマとなり、病院に行くこと自体が恐怖に感じる犬もいます。
3.車に乗ること
車に酔った経験や車で行った病院などのいやな過去の不快な経験が原因で車に乗ることを嫌がる犬もいます。
物理的な要因
1.体調不良や痛み
ケガによる痛みや病気が原因で、普段は怖がらない犬であっても不安感から怖がることがあります。
2.老化による不安
高齢犬になると感覚が鈍くなることにより、視力が悪くなったり、耳が聞こえにくくなることなどからの不安が原因で若いころとは違って恐怖心が増すことがあります。
その他
1.虐待や事故などの過去のトラウマ
過去に虐待を受けたり、大きな事故に遭ったりした場合、その過去の経験がトラウマとなり、隔離されたり大きな物音をたてた時にパニックになることがあります。また、人そのものを怖がるケースもあります。
2.子犬の時期での社会環境への訓練の不足
子犬の時、人や他の犬と交流する社会環境への訓練が十分に行われなかった場合には、さまざまな新しい環境や刺激に対して恐怖を感じやすくなることがあります。
3.遺伝的要因
チワワなどの小型の犬種やそれぞれの犬が生まれながらに持っている遺伝的要因によって、警戒心が強く怖がりやすい傾向の犬もいます。
4.飼い主自身の不安
犬は感受性の高い生き物です。飼い主自身が不安や緊張を感じていると、犬もそれを感じ取って恐怖を感じることがあります。
5.不適切な訓練
怖がる行動そのものに対して罰を与えたり、逆効果になるような不適切な訓練を行うことにより、今まで以上に恐怖心を煽る結果も考えられます。
これらの要因が単独で、または複合的に影響して犬が怖がる原因となります。犬の恐怖心を理解し、適切な対策を講じることが大切になってきます。
犬が怖がるときの対策としつけ
犬が怖がるときの対策としつけは、犬の個々の状況や性格に応じて適切に行う必要があります。以下は一般的な対策としつけの方法になります。
犬が怖がるときの対策
1.徐々に慣れさせる(脱感作法)
犬が怖がる対象に対して、少しずつに慣れさせる方法です。例えば、大きな音に対しては音を小さくし、徐々に大きくしていきます。また、対象が視覚的なものであれば、遠くから少しずつ近づけるようにします。
2.正の強化
犬が落ち着いているときに、おやつやおもちゃを使って褒めることで、ポジティブな体験を増やします。これにより、怖い対象に対する恐怖心を和らげることができます。
3.安全な場所の設置
犬が安心できるゲージやクレートいった特定の避難場所を家のなかに設置し、怖がる状況に陥った場合、そこに避難できるような環境を作ってあげてください。
4.音の対策
音を怖がる犬には、遮音効果のあるクレートや耳栓などの対策をしてあげてください。また、リラックスできる静かな音楽を試すことも場合によって必要かも知れません。
5.健康チェック
ケガなどの痛みや病気が原因で怖がっている可能性もあるため、獣医師による定期的な健康チェックを行い、必要に応じて治療も受けるようにしてください。
6.専門家の助けを借りる
深刻な恐怖症やトラウマがある場合、獣医師や犬の訓練士などの専門家に相談することもお勧めします。場合によっては、獣医師による治療も必要とされる場合もあります。
犬が怖がるときのしつけ
1.楽しい経験を増やす
犬が怖がる状況や対象に対して、できるだけ楽しいと思えるような経験を増やしてあげるようにしましょう。例えば、おやつや遊びを通じて、その状況や対象が楽しいものであると教えるのもひとつの方法です。
2.無理をしない
犬が怖がる状況で無理に対応させないようにしましょう。無理強いは逆効果となるため、恐怖心を増幅させる可能性があるので、無理をしないことが大切です。
3.一貫性のある対応
飼い主さんは、常に一貫性のある対応を心がけてください。犬が怖がる行動を見せたときには冷静に対処してください。飼い主さん自らが不安や緊張していれば、感受性の高い犬には、すぐに伝わるため、落ち着いて対応することが非常に重要になってきます。
4.トレーニング
基本的な「座れ」「待て」「来い」などの指示を訓練し、指示に従うことで犬が安心感を得られるようにてください。こえした、コマンドトレーニングは、犬の気持ちを落ち着かせるために効果的ですので、是非お試しください。
5.社会環境への適応
若い犬には、さまざまな人や他の犬、異なる環境に触れさせることで、社会に慣れさせることがポイントになってきます。これを行うことにより、怖がる原因を減らし、社会環境への適応力を高めていくことに繋がります。
6.行動修正技法
「カウンターコンディショニング」や「シェイピング」などの行動修正技法を用いて、犬の恐怖心を緩和させる方法があります。例えば、カミナリの音を聞かせながらおやつを与えることで、カミナリの音に対する恐怖心を減らすことができるというのもその一つです。
実践的なアドバイス
1.冷静でいる
犬が怖がっているときには、飼い主さん自身が冷静でいることが大切です。何度も言いますが、犬は感受性の高い生き物です、飼い主さんの感情がすぐに犬に伝わります。
2.小さなステップで進める
一度に多くの期待をせず、少しずつ進めることが肝心です。徐々に進めていくことで、犬が適応しやすくなります。
3.専門家のアドバイスを受ける
獣医師や犬の訓練士などの専門家の指導を受けることで、より効果的な対策や訓練方法を学ぶことができます。飼い主さんの勉強にもなりますので、是非、専門家の指導を受けることをお勧めします。
これらの対策としつけを通じて、犬が安心して過ごせる環境を整え、恐怖心を減らしていくことができるはずです。あなたの愛犬の恐怖心を取り除くためにも積極的に取り組んで見てはいかがでしょうか。