昔の犬は大変でした。私が小学生のころ、小学生のころと言っても、もう数十年も前の事ですが、当時は今とは違って、番犬として玄関先の庭の片隅に犬小屋にくさりで繋がれ飼っていたのを覚えています。毎年夏になると、当時の事を思い出すのですが、「暑さ寒さに耐えて、かわいそうなことをしてたんだな~」と暗い気持ちになったりします。
今、我が家には2匹の犬を飼っていますが、昔と違ってエアコンの効いた部屋で夏の暑い日々を過ごしています。しかし、中にはエアコンの苦手な犬もいて、エアコンで体調を崩すような話もよく聞きます。
そこで今回は、「犬の冷房対策」について、少し考えたいと思います。
「愛犬の冷房対策」、どうすれば良いの?
愛犬の冷房対策は、暑い夏の日に犬が快適に過ごせるようにするために非常に重要になります。以下はいくつかの効果的な冷房対策になります。
エアコンを使用する
家の中を適切な温度に保つためにエアコンを使用するようにしましょう。犬がいる部屋の温度は26℃~28℃に保つのが良いとされています。しかし、犬種や個体差がありますので、様子を見ながら調節をしてください。
扇風機を使用する
エアコンと同時に、扇風機やサーキュレーターを使って部屋の空気を循環させるとより効果的です。節電にもなりますので、是非、利用してみてください。
冷感マット
犬用の冷感マットやクールベッドを使うのもお勧めです。冷感マットは冷たい素材で作られているため、肌触りが良くゆっくりと体を休めることができます。
水分補給
新鮮な水を常備し、犬が十分な水分を摂取できるようにしてあげてください。氷を入れた水を用意するのも良いでしょう。
庭やベランダには日陰をつくる
外で遊ぶ場合は、必ず日陰を確保するようにして、直射日光を避けるようにしてあげましょう。庭やベランダにシェードを設置するのも効果的です。
水遊び
犬が水を楽しめるように、プールや水遊び用のホースを使用するのも良いアイデアです。ただし、水遊びの後はしっかり乾かしてあげましょう。
涼しい時間帯に散歩
早朝や夕方の涼しい時間帯に散歩をするように心がけ、日中の暑い時間帯の散歩は避けるようにしてあげてください。
冷たいおやつ
冷凍にしたおやつやフルーツを与えるのも良い方法です。人間と同様、口当たりが良く、体内から体温を下げる効果があります。
ブラッシング
毛の密集した犬種は、定期的なブラッシングで余分な毛を取り除き、通気を良くすることで体温調節を助けます。
車内の温度に注意
絶対に愛犬を車内に放置しないようにしてください。夏の車内は非常に高温になるため、熱中症など健康に重大なリスクを及ぼすことになります。
これらの対策を講じることで、愛犬が暑い夏を安全かつ快適に過ごせるようになります。
犬は冷えすぎると健康上どのような影響がありますか?
犬が冷えすぎると、いくつかの健康上の問題が発生する可能性があります。以下にその影響をいくつか紹介いたします。
低体温症
低体温症は、体温が異常に低下する状態のことです。症状には震え、無気力、筋肉の硬直、呼吸や心拍数の低下などがあり、重篤な場合には、昏睡や死亡に至ることもあります。
関節の問題
冷えは関節に影響を与えます。特に、関節炎を患っている犬では痛みや硬直が悪化する可能性があります。高齢の犬や大型犬は特に注意が必要になってきます。
免疫力の低下
冷えによって免疫力が低下し、細菌やウィルスからの抵抗力が弱くなり、風邪や感染症にかかりやすくなることがあります。
循環器の病気
極端な冷えは、血液循環に影響を与え、耳や尾、足先などの末端部の凍傷を引き起こすことがあります。また、心臓に負担がかかり、心臓疾患の原因となることもあります。
消化器の病気
冷えが消化器官に影響を与えると、食欲不振や消化不良を引き起こすことがあります。胃腸障害による下痢や嘔吐の原因になります。
呼吸器の病気
冷たい空気を吸い込むと、呼吸器官に負担がかかり、咳や呼吸困難を引き起こすことがあります。
疲労と無気力
体温が下がるとエネルギーを消耗しやすくなり、犬が疲れやすく、無気力になることがあるので注意が必要です。
これらの影響を避けるために、以下の対策を講じることが重要です
① エアコンの設定温度を適切に保ち、犬が快適に過ごせるようにする。
② 犬が寒いと感じた場合には、毛布や服を提供する。
③ 寒い場所での長時間の滞在を避ける。
④ 定期的に犬の体温をチェックし、異常があればすぐに獣医さんに相談する。
愛犬が快適で健康的な環境で過ごせるようにするために、冷えすぎには十分注意しましょう。
犬が涼しい室内から暑い屋外に出る時の注意点
犬が涼しい室内から暑い屋外に出る際には、急激な温度変化が犬にストレスを与え、健康に悪影響を及ぼす可能性が考えられます。以下の点に注意するようにしてください。
徐々に慣れさせる
室内から急に外に出るのではなく、まず、玄関口の暖かい空気に慣れさせてから外出するようにしてください。また、外出しても日陰の風通しの良い場所を選んであげるように心がけてください。
適切な時間帯に出かける
早朝や夕方の比較的涼しい時間帯に散歩をするようにし、日中の暑い時間帯は避けるようにしましょう。
十分な水分補給
外出前に十分な水を飲ませ、散歩中も携帯用の水入れを持参して、こまめに水分補給を行うようにしましょう。
足元の温度に注意
アスファルトやコンクリートは非常に高温になるため、犬の肉球が火傷する可能性があります。手で触れて熱いと感じる場合は、犬の足にも影響があると考えられます。芝生や土の道を選ぶか、犬用のブーツを使用するのも良いでしょう。
日陰を確保
外出時には必ず日陰を選び、直射日光を避けるようにしてあげてください。木陰や建物の影などがない場合は、日傘などの準備も必要です。
休憩を取る
散歩のときは、定期的に休憩を取り、愛犬が休息できる時間を確保してください。特に高温の中での活動は愛犬にとって大きな負担となるため、無理をさせないことが重要です。
冷却グッズの利用
冷感マットや冷たいタオルを持参して、必要に応じて犬を冷やすために使用します。また、携帯用の扇風機も役立ちます。
車内での待機は避ける
愛犬を車内に放置しないようにしてください。車内は短時間でも非常に高温になり、熱中症のリスクが高まります。
健康チェック
外出前後に犬の健康状態を確認し、異常がないかチェックを行うようにしてください。特に暑さに弱い犬種や高齢犬は、体調管理に十分な注意が必要です。
これらの対策を講じることで、犬が涼しい室内から暑い屋外に出る際に健康を保ち、快適に過ごせるようにすることができます。
まとめ
人は全身に汗腺があり、汗をかくことで体温調節しており、体温の変化に対しての適応能力が高い生き物です。一方で犬は汗腺が足の裏にしかなく、体温調節は主に舌を使ってハアハアと息をするパンティングによって行っています。このパンティングによって熱を放出することしかできないため、人と違い急激な温度変化に対応しにくい体質の生き物です。また、犬は被毛があるため、エアコンの風が直接当たると体温が急激に下がりやすく、冷えすぎると健康に悪影響を及ぼすことがあります。
犬と人では、暑さに対する体質が違うことを良く理解して、暑い夏の冷房対策を行うようにしてあげてください。