愛犬の洋服をハンドメイドしてみよう!

人間も同じですが、服を買うときには当然ですが、サイズを選びます。犬の場合には、人間以上に犬種でサイズが全然違ってきます。ペットショップなどで販売されている既製品でも良いのですが、なかなか愛犬にフィットしたサイズが見つからないことが多いと思います。そんな時、愛犬に自分の手で作った洋服を着せてあげたいと思いませんか?

そこで今回は、愛犬の洋服をハンドメイドする際の手順についてお話をさせていただきたいと思います。工程は、準備⇒採寸⇒裁断⇒縫製⇒仕上げの順に進めていきます。

目次

準備(preparation)

犬の洋服のサイズを正しく測ることは、愛犬に快適でフィットする服を選ぶために非常に重要です。以下に、犬の洋服のサイズを測るための基本的な手順を説明します。

必要な道具を用意する

犬の洋服のサイズを正確に測るためには、いくつかの必要な道具があります。以下にその道具と使用方法を詳しく説明します。

1.柔らかいメジャー

材質は布製やプラスチック製が適しており、犬の体に沿わせて測定することができます。硬いメジャーでは体にフィットしないため、柔らかい素材が推奨されます。首周り、胸囲、背丈などを測る際に使用します。

2.ノートまたはメモアプリ

測定したサイズを記録するために必要です。特に、愛犬のサイズは変化する可能性があるため、定期的に測定し、その結果を記録しておくことが重要です。

3.ハサミ

必要に応じて、測定したサイズに基づいて布をカットする際に使用します。特に自宅で犬服を作成する場合には必須の道具です。

4.型紙

犬服を作成する際には、型紙が必要です。型紙は愛犬のサイズに合わせて調整し、正確なフィット感を得るための基準となります。

これらの道具を用意することで、愛犬にぴったりの洋服を選ぶことができるでしょう。また、特に柔らかいメジャーは、愛犬の体型に合わせて正確なサイズを測るために非常に重要です。

生地の選び方

愛犬の洋服を作る際の生地選びは、快適さや機能性を重視したものを選ぶことが非常に重要なポイントとなります。以下は、特に着心地を重視した素材とその特性についての説明になります。

1.ニット生地

伸縮性があり、動きやすい。特にスムースニットは縫いやすく、肌触りも良いため、犬服に最適です。ミニ裏毛やダンボールニットも人気で、オールシーズン対応可能です。

2.綿生地

通気性が良く、洗濯しやすい。特に綿100%は敏感な犬の皮膚にも優しく、初めて洋服を着せる際にはおすすめです。

3.ウール

保温性が高く、冬用の犬服に適しています。ただし、厚みがあるため扱いには注意が必要です。

4.メッシュ生地

夏場に最適で、通気性が良く、軽量です。暑い季節でも快適に過ごせるよう配慮されています。

5.裏起毛ニット

冬用として非常に暖かく、保温性がありますが、厚みがあるためミシンで縫う際には注意が必要です。

生地選びのポイント

Point 1 季節に応じた素材選び

夏は通気性の良いメッシュや薄手の綿、生地を選び、冬は保温性の高いウールや裏起毛ニットを選ぶことが重要です。

Point 2 犬種や体型に合わせたサイズ感

犬種によって体型や毛皮の種類が異なるため、それに応じたサイズ感を意識することが大切です。特に小型犬は体温調整が難しいため、適切な素材とサイズを選ぶ必要があります。

Point 3 洗濯しやすさ

犬服は汚れやすいため、洗濯しやすい素材を選ぶことも重要です。型崩れしにくい生地を選ぶことで長持ちします。

このように、生地選びは愛犬の快適さと健康を考慮した上で行うべき重要なポイントになってきます。自分だけのオリジナルの洋服を作る楽しみを持ちながら、愛犬にぴったり合った素材を見つけてあげてください。

採寸(measuring)

測定する部位

首周り

首の根元を一周して測ります。特に首が長い犬種の場合は、首輪の装着位置とは異なるため注意が必要です。

胴回り

前足の付け根あたりで、胴の一番太い部分を一周します。

ウエスト

後足の太ももの付け根の内側あたり、後ろ足に近い腹部のところを一周します。

着丈

首の付け根から尻尾の付け根までの長さを測ります。これにより、服がどれだけ体にフィットするかがわかります。

前着丈

首周りからお腹を通り肛門手前までの長さを測ります。特に男の子の場合は、トイレ時に気になるポイントです。

測定方法

1.犬を立たせる

愛犬を水平に立たせ、リラックスした状態で測定します。動いていると正確なサイズが測れないため、落ち着かせてから行います。

2.複数回測定する

メジャー3で3回程度測り、その平均値を取ることでより正確なサイズが得られます。

3.余裕を持たせる

特に首周りや胴回りは、少し余裕を持たせることで、犬が快適に動けるようになります。

裁断(cutting)

生地の裁断手順

1.必要な材料を準備する

生地

選んだデザインに合った生地を用意します。伸縮性のある生地や通気性の良い生地が犬の服には適しています。

型紙

事前に作成した型紙を用意します。初心者のうちは市販の型紙やインターネット無料サイトのものを利用して、上達したらご自身の手で型紙を作成することをお勧めします。

はさみまたはロータリーカッター

ご存知のとおり、生地を切るための道具です。はさみは裁縫用のものをご使用ください。右図はロータリーカッターです。生地の裁断する場合には、便利なアイテムです。

クリップまたはピン

型紙を生地に固定するために使用します。特にニット生地のものを裁断する場合には必要になります。

チャコペンやマーカー

生地に印を付けるための道具です。型紙を生地に落とす際に必要です。

メジャー

サイズを確認するために使用します。目測ではなく、左右が均等かどうかなど細部にわたってメジャーを使用して確認してください。

ロータリーカッター

2.生地を平らに広げる

作業台や床に生地を平らに広げ、しわや折り目がない状態にします。生地が滑らかであることを確認してください。

3.型紙を配置する

型紙を生地の上に置き、裁断する部分が生地の端に沿うように配置します。生地の伸縮方向に注意し、型紙が正しい向きであることを確認します。

4.型紙を固定する

型紙が動かないように、クリップやピンで生地に固定します。これにより、裁断中に型紙がずれるのを防ぎます。

5.印を付ける

型紙の周りにチャコペンやマーカーで印を付けます。特に、縫い代やデザインのポイントを明確にするために、重要な部分にはしっかりと印を付けておきます。

6.生地を裁断する

はさみまたはロータリーカッターを使って、型紙に沿って生地を裁断します。裁断する際は、ゆっくりと丁寧に行い、型紙に沿って正確に切ることを心がけます。

7.裁断後の確認

裁断が終わったら、切り取ったパーツを確認し、必要な数が揃っているか、サイズが正しいかをチェックします。

8.余分な生地の処理

裁断後に残った生地は、後で使えるように保管しておくと良いでしょう。

裁断のポイント

Point 1 生地の特性を考慮する

伸縮性のある生地や滑りやすい生地の場合、裁断時に注意が必要です。必要に応じて、重しを使って生地を固定することも考慮してください。

Point 2 安全に作業する

はさみやカッターを使う際は、手を切らないように注意し、作業スペースを整理整頓しておきましょう。

縫製(sewing)

縫製の手順

1.必要な材料を準備する

裁断した生地

事前に裁断した犬の服のパーツ。

ミシンまたは手縫い用の針と糸

ミシンを使う場合は、適切な糸を選びます(生地に合った色や種類)。

クリップまたはピン

生地を固定するために使用します。

アイロン

縫製前に生地を整えるために使用します。

メジャー

サイズを確認するために使用します。

1.生地をアイロンがけする

裁断した生地にしわがないか確認し、必要に応じてアイロンをかけて平らにします。これにより、縫製がスムーズになります。

2.パーツを合わせる

裁断したパーツを、型紙に従って正しい位置に合わせます。前身頃、後身頃、袖、裾など、各パーツを確認します。

3.生地を固定する

パーツを重ね合わせたら、クリップやピンで固定します。これにより、縫製中に生地がずれるのを防ぎます。

4.縫い始める

ミシンを使用する場合は、適切な縫い目の設定を確認します。通常は直線縫いが基本ですが、伸縮性のある生地の場合はジグザグ縫いを使用することもあります。また、縫い始める前に、針を生地に刺し、数針縫った後に生地を引っ張らないように注意しましょう。

5.縫製を行う

ミシンを使用する際は生地をゆっくりと進めながら、型紙に沿って縫います。縫い代は通常1cm程度が一般的ですが、デザインによって異なる場合があります。また、曲線部分や角を縫う際は、ミシンの速度を落とし、慎重に進めましょう。特に、初心者の場合にはゆっくり注意をしながら進めてください。

6.縫い終わったら

縫い終わったら、糸を切り、縫い目を確認します。必要に応じて、アイロンをかけて縫い目を整えるようにしてください。

7.仕上げの処理

最後に縫い代を処理します。ほつれを防ぐためにジグザグミシンやオーバーロックミシンをお持ちであれば、それらのミシンを使って縫い代の処理してください。お持ちでなければ手縫いで処理をしていただくことをお勧めいたします。また、裾や袖口など、必要な部分にはバイアステープやゴムを使って仕上げましょう。

8.試着と調整

完成した服を犬に試着させ、サイズやフィット感を確認します。必要に応じて、調整を行いましょう。

縫製のポイント

Point 1 生地の特性を考慮する

伸縮性のある生地や厚手の生地の場合、縫い方や縫い目の設定を調整する必要があります。

Point 2 安全に作業する

ミシンや針を使う際は、手を切らないように注意し、作業スペースを整理整頓しておきましょう。

仕上げ(finish)

いよいよ仕上げになります。犬の服を作る際の仕上げについては、以下のとおりです。

仕上げの手順

1.縫い目の確認

縫製が完了したら、全ての縫い目を確認します。ほつれや不均一な部分がないかチェックし、必要に応じて修正をしましょう。

2.アイロンがけ

縫い終わった部分をアイロンで整えます。縫い目を平らにすることで、仕上がりが美しくなります。特に、裾や袖口などの仕上げ部分は丁寧にアイロンをかけましょう。

3.縫い代の処理

縫い代がほつれないように、ジグザグミシンやオーバーロックミシンで処理します。これにより、洗濯時のほつれを防ぎ、耐久性を向上させます。

4.裾や袖口の仕上げ

裾や袖口には、バイアステープやゴムを使って仕上げることができます。バイアステープを使う場合は、端を折り返して縫い付け、きれいに仕上げます。ゴムを使う場合は、適切な長さにカットし、縫い付けてフィット感を調整します。

5.装飾の追加

必要に応じて、ボタン、リボン、刺繍などの装飾を追加します。装飾は、犬の服に個性を与える重要な要素です。装飾を付ける際は、犬が引っかからないように注意しましょう。

6.最終チェック

完成した服を全体的にチェックします。サイズ、フィット感、デザインが意図した通りになっているか確認します。特に、犬が着用する際に不快感を感じないか、動きやすいかを確認します。

7.試着

愛犬に服を試着させて、実際のフィット感を確認します。動きやすさや快適さをチェックし、必要に応じて調整を行いましょう。特に確認したいのが首回りや胴回りがきつすぎないか、また、袖口が適切なサイズかどうかの確認を行うようにしてください。

8.洗濯表示のタグを付ける

洗濯方法や注意事項を記載したタグを付けると、後の手入れが簡単になります。特に、手作りの服は洗濯方法に注意が必要ですので、タグを付けることをお勧めします。

仕上げのポイント

Point 1 丁寧に作業する

仕上げは全体の印象を大きく左右しますので、丁寧に作業することがとても重要になってきます。洋服の全体のバランスが取れているかやヨレやタルミがないかなどのチェックをしてください。

Point 2 安全性を考慮する

装飾品や縫い目が犬にとって危険にならないように、しっかりと確認しましょう。足の擦れや寝た時の縫い目の位置などにはケガなどにつながる恐れがありますので十分な注意が必要です。

追記

● 型紙の入手方法について

書籍

Amazonや楽天から『型紙の教科書』や『かわいい犬のお洋服』などの書籍を購入して型紙が手に入る。

インターネット

無料でダウンロードできる型紙が多数存在します。

  • milla milla: 無料型紙を提供するサイト。
  • Clover: ベストやゆかたの型紙を提供。
  • Dog Peace Handmade LAB: 型紙と素材を提供。

初心者の間はこのような既製の型紙を利用することをお勧めいたします。ただし、既製の型紙の場合では市販の洋服と同様に愛犬の身体にぴったりフィットした洋服を作るまでには至りません。なので、ある程度上達してしてくれば、採寸をして型紙から自分の手で作ることが必要になってきますので、がんばってください。

まとめ

犬の洋服を手作りすることには、多くのメリットがあります。まず、愛犬にぴったりのサイズで洋服を作れる点が挙げられます。市販の犬用洋服はサイズが限られており、特に小型犬や大型犬、体型に特徴のある犬種にはフィットしないことがあります。しかし、手作りであれば、愛犬の体型に合わせて寸法を調整できるため、快適さと動きやすさを追求できます。さらに、素材やデザインを自由に選べるため、愛犬の肌に優しい生地を使用したり、アレルギー対策を施したりすることも可能です。

また、手作りすることで、愛犬の個性を表現したオリジナルの洋服を作る楽しさも得られます。飼い主自身の好みや、愛犬の毛色や性格に合ったデザインを選ぶことで、市販品では手に入らないユニークな仕上がりになります。特別なイベントや季節ごとのテーマに合わせた服を作ることも可能で、愛犬との生活をより彩り豊かにできます。

さらに、洋服作りそのものが飼い主にとって楽しい趣味となり、愛犬との絆を深める時間にもなります。洋服を試着させたり、一緒にデザインを考えたりする過程で、愛犬への愛情を形にする喜びを感じることができるでしょう。コスト面でも、市販品を購入するよりも安価に仕上げることができる場合も多く、経済的なメリットも見逃せません。

総じて、犬の洋服を手作りすることは、愛犬の快適さを追求しつつ、飼い主としての創造力や愛情を存分に活かせる活動です。これにより、愛犬の健康や幸福を守りながら、自分自身の楽しみや満足感を得られる点が最大の魅力と言えるでしょう。

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