引っ越しは私たちにとって新しいスタートの機会ですが、愛犬にとっては慣れ親しんだ環境が変わることへのストレスや不安を感じる大きな出来事なのです。愛犬が新しい環境で安心して過ごせるようにするために飼い主の皆さまが行わなければいけないことは、引っ越し先の住居や環境に早く順応させるための適切な準備と配慮が必要になります。
そこで今回は、引っ越し前後の愛犬のケアポイントやストレスを軽減する方法についてのお話をさせていただきます。愛犬との絆を深めながら、引っ越し先での新生活を一緒に快適に始められるよう、是非ご参考にしてください。
引っ越しをした際の愛犬のストレスサイン
引っ越しは愛犬にとって大きなストレスとなることがあります。愛犬がストレスを感じている場合、以下のようなサインが見られることがありますので、注意深く見てあげてください。
別のブログ「犬のストレスを認識し、軽減するためのヒント」でもストレスに関する基礎知識について紹介させていただいております。
行動の変化
1.臭いを嗅ぐ
新しく引っ越した部屋に慣れないため、部屋の隅々の臭いを嗅ぎまわります。嗅いだことのない臭いによる不安の表れで起こす行動です。
2.隠れる
新しい環境に慣れないため、ベッドやソファーの下に隠れたり、ゲージや家具の隙間にこもったりする行動を取ることがあります。
3.過剰に吠える
慣れない環境による不安やストレスから、ちょっとした物音や人の気配などに敏感に反応し、普段よりも吠える回数が増えることがあります。
生活での変化
1.食欲の変化
敏感な犬の場合、引っ越しによる不安から食事を取らなくなったり食事の量が減ることがあります。逆に、ストレスを解消するために過剰に食べるケースこともあります。
2.身体的なサイン
不安によりストレスを感じているときに体が震えることがあります。また、自分の体を舐めたり、噛んだりすることでストレスを和らげようとする行動が見られることがあります。
3.排泄の問題
引っ越しにより新しい環境に慣れないため、トイレの場所が分からずに失禁や排泄の失敗することがあります。
4.社会的な変化
引っ越しによるストレスから、他の人や犬に対して攻撃的になることがあります。
5.無関心・無気力
引っ越しによるストレスから飼い主や周囲の環境に対して無関心になったり無気力になることがあります。
6.睡眠の変化
引っ越しによる環境の変化から、落ち着いて眠れないことがあります。また逆に、ストレスから逃れるために過剰に寝ることもあります。
ストレスへの対策
愛犬が上記のサインを示している場合には、以下の対策を考えてみてください。
1.安心できるスペースを作る
愛犬が落ち着ける場所を用意し、そこに自分のベッドやお気に入りのアイテムを置いてあげましょう。
2.ルーチンを維持する
食事や散歩の時間をできるだけ変えず、愛犬が安心できるように心がけましょう。
3.愛情を注ぐ
ストレスを感じているときは、普段以上に愛情を注ぎ、安心感を与えることが大切です。
愛犬のストレスを軽減するために、注意深く観察し、必要に応じて獣医さんに相談することもお勧めいたします。
引っ越しの準備から引っ越し後までの愛犬のケア
引っ越しをする際には、愛犬のケアはとても重要になってきます。以下の手順を参考にして、愛犬が新しい環境に一日でも早く馴染めるようにしてあげてください。
引っ越し前の準備
1.新しい環境の確認
新居の周辺を事前に訪れ、愛犬が散歩できる場所や公園をチェックしておきましょう。近隣で犬を飼っている家庭があるかなどの情報も事前に知っておくことも大事です。
2.必要なアイテムの準備
愛犬のベッド、食器、玩具、リードなど、慣れ親しんだアイテムを新居に持っていくと安心感を与えます。新居なので愛犬のものも新しくしてあげたいという気持ちは分かりますが、出来るだけ日ごろから愛用していたものを持って行ってあげるようにしてください。
引っ越し当日
1.安全な場所を確保
引っ越し当日はバタバタするため、愛犬がストレスを感じないように、静かな部屋やクレートに入れておくと良いでしょう。事前に予行練習を何回か行うことで安心を与えますので、事前に練習をしておくと良いでしょう。
2.食事と水の準備
引っ越し中も愛犬が水分補給できるように、食事や水を用意しておきましょう。旅行用のペットボトルやドライドッグフードを小分けしたものを準備しておくと良いでしょう。
新居での適応
1.新しい環境に慣れさせる
新居に着いたら、愛犬を少しずつ家の中を探検させてあげましょう。犬は臭いを嗅いで場所を覚えていきますので、安心するまで部屋を嗅がせてあげると良いでしょう。
2.ルーチンを決める
食事や散歩の時間をできるだけ変えず、愛犬が安心できる一日の生活でのルーチンを決めて、慣れるまではそのルーチンを守りましょう。
ストレス管理
1.愛情を注ぐ
引っ越しは愛犬にとってストレスになることがありますので、普段以上に愛情を注ぎ、安心感を与えてあげましょう。引っ越した当初はできるだけ一緒にいる時間を作り、留守番をする時間を少なくしてあげてください。
2.遊びや散歩
新しい環境に一日も早く慣れさせるため、愛犬との散歩や遊びを行いながらリラックスできる時間をたくさん作ってあげてください。
獣医さんへの確認
引っ越し後に愛犬の健康状態を確認するため、獣医さんに相談することをお勧めします。特にストレスによる影響が心配な場合は、専門家のアドバイスを受けましょう。また、新たに獣医師さんを見つけなければいけない場合には、事前に探しておくことをお勧めします。
これらの手俊によって、愛犬が新しい環境にスムーズに適応できるようサポートできます。引っ越しは大変ですが、愛犬との新しい生活を楽しんでください!
愛犬と一緒に引っ越しをした時の届け出
犬と一緒に引っ越しをした際には、いくつかの届け出や手続きが必要になってきます。以下は、一般的な手続きの流れになりますので、引っ越しの時の参考にしてください。
愛犬の登録
犬の登録は予防接種等の関係で、ほとんどの市区町村で義務付けられています。愛犬の住所変更手続きを行う必要がありますので、新しい住所での登録を行うために最寄りの役所に行ってください。なお、犬の登録証明書や場合によってはワクチン接種証明書などの書類が必要になることがあります。
狂犬病予防接種
引っ越し先の地域によっては、狂犬病予防接種が義務付けられている場合が多いです。接種証明書を持参し、必要に応じて新しい地域での接種を受けましょう。
獣医さんの変更
引っ越し先で新しい獣医さんを探し、必要に応じて健康診断を受けることをお勧めいたします。以前の獣医さんから健康記録を受け取っておくと、スムーズに新しい獣医さんに情報を伝えることができます。
マイクロチップの登録
愛犬がマイクロチップを装着している場合、登録情報を新しい住所に更新することが必要になります。マイクロチップの登録会社に連絡して手続きを行いましょう。
保険の確認
ペット保険に加入している場合、引っ越しに伴い、ペット保険の内容を見直すことも考慮しましょう。新しい地域での医療機関やサービスがカバーされているか確認してください。
これらの手続きを行うことで、愛犬とともに新しい生活をスムーズに始めることができます。引っ越し後は、愛犬が新しい環境に慣れるまでしっかりとサポートしてあげてください。
愛犬と一緒に引っ越す場合の移動に関する注意
愛犬と一緒に引っ越す際の車や公共交通機関での移動には、いくつかの注意点があります。愛犬が快適で安全に移動できるように、以下のポイントを考慮してください。
移動手段の選択
1.車での移動
車での移動が一般的ですが、愛犬が車酔いしやすい場合は、事前に慣らしておくことが大切です。短い距離から始めて、徐々に長い距離に慣れさせましょう。
2.公共交通機関の利用
電車やバスを利用する場合、ペットの乗車規則を確認しておきましょう。多くの公共交通機関では、犬をキャリーケースに入れる必要があるので注意しましょう。
安全対策
移動中は、愛犬をクレートに入れるか、ハーネスをつけて安全を確保しましょう。クレートは愛犬にとって安心できるスペースにもなります。また、車の窓を開ける際は、愛犬が飛び出さないように注意が必要です。特に高速道路では危険が伴いますので、窓は閉めたままで走行するようにしてください。
休憩を取る
長時間の移動の場合、定期的に休憩を取り、愛犬がトイレをしたり水分補給をしたりできるようにしましょう。愛犬がリラックスできる時間を設けることが大切です。
食事と水分補給
移動の数時間前には、愛犬に軽めの食事を与えると良いでしょう。移動中に食べ過ぎると、車酔いの原因になることがあるため注意してください。また、移動中はこまめに水分を与え、脱水症状を防ぎましょう。特に夏場は暑さによる脱水症状に注意が必要です。
愛犬のストレス管理
慣れたアイテムを持参: 愛犬が普段使っているベッドやおもちゃを持参すると、移動中のストレスを軽減できます。リラックスできる環境を作る: 車内では、愛犬が安心できるように静かな音楽を流したり、落ち着いた雰囲気を作ったりすると良いでしょう。
新しい環境への適応
新しい場所に着いたら、愛犬が新居や庭などを探索できる時間を設けてあげましょう。散歩など外出の際には必ずリードをつけてください。また、引っ越しは愛犬にとってストレスになることがあるため、普段以上に愛情を注ぎ、安心感を与えることが大切になってきます。
これらの注意点を考慮することで、愛犬との引っ越しがよりスムーズで快適なものになるでしょう。愛犬の安全と快適さを第一に考え、楽しい移動を心がけてください。
まとめ
引っ越しは愛犬にとって大きな環境の変化ですが、事前の準備と適切なケアを行うことで、そのストレスを軽減し、新しい環境への順応をスムーズにすることができます。引っ越し前には安心できる環境を整え、当日は安全で快適な移動を心がけ、引っ越し後には愛犬が新居に慣れるための時間と愛情をたっぷりと注いであげましょう。また、愛犬の様子を観察し、必要に応じて調整を行うことも大切です。愛犬が安心して新しい生活を楽しめるよう、飼い主としてのサポートを惜しまず行い、引っ越しを愛犬にとってもポジティブな経験にしてあげましょう。