犬と一緒にくらすことに憧れている方はたくさんいらっしゃると思います。芸能人や著名人の方々の犬と一緒にくらす光景をテレビなどで目にすることも少なくありません。しかし、「飼いたい!」という憧れだけで飼うことはお勧めいたしません。
犬を飼うということは、単に物を買うのとはわけが違うということを覚えておいていただきたいと思います。車を買ったり服を買ったりすることと、ペットショップで犬を買うことは全く違います。可愛いからとか、流行っているからという考えで、衝動的に決めるのだけはやめていただきたいと思います。
犬は生き物です。明日からの命をあなたに預けることになるのです。そして、あなたには犬を選ぶ権利がありますが、犬にはその権利はないことだけは、肝に命じて行動していただければと深く願っております。
そこで、今回は、犬を飼うために必要な基本的なことや環境整備、費用などについて、改めて少しお話をさせていただきます。
犬を飼うときに覚えておかないといけない基本的なこと
犬を飼うときには、いくつかの心構えが必要です。以下は、犬を飼う際の重要なポイントになります。
責任感を持つこと
犬を飼うということは、大げさなように思われるかも知れませんが、一生涯にわたり経済的な負担や時間的な制約、社会的なルールを守るという責任を背負うことになります。そして、なによりも愛情をもって育てることが求められます。
犬の習性を理解すること
犬は私たち人間と長い年月を共に過ごしてきた歴史的があり、人との関係性を非常に大切にする唯一の存在だと思います。そのような関係性から適切なコミュニケーションをとることが大事になってきます。愛情をもって接することで犬の習性や考えていることを理解していきましょう。分からないことがあれば獣医師や専門のカウンセラーに助言を求めることをお勧めします。
経済的な準備を行うこと
犬を飼うには経済的な負担を伴います。食事や医療費、リードや寝具などのコストがかかります。飼う前に、どれくらいの費用が必要なのか、そのお金が準備できるのかを十分考えたうえで飼うことが重要です。
時間が奪われるということ
犬は昔、集団で暮らしていた生き物です。今は人と暮らすことで、他の動物とは違い、際立って孤独を感じる生き物でもあり、十分な運動や遊び、トレーニングが必要です。日々の暮らしの中で、犬とのコミュニケーションや遊びの時間を確保することが大切です。
しつけとトレーニングを行うこと
犬はしつけやトレーニングを通じて、社会性を身につけます。基本的なしつけから始め、必要に応じて獣医師やドッグトレーナーなどの専門家の助言を得ることも大切です。
愛情と忍耐を持つこと
犬は家族の一員として迎える存在です。愛情を持ち、時には忍耐強く接することが大切です。犬も人間と同様に感情豊かな生き物であり、理解と尊重が求められます。
これらは犬を飼おうと考えておられる皆様に、飼う際の基本的な心構えですが、実際に犬を飼う際にはさらに多くのことが考慮されるべきです。犬との素晴らしいパートナーシップを築くためには、責任感と愛情をもって接することが不可欠です。
犬を飼うときの覚悟
前述の基本的な考え方と重複するかと思いますが、犬を飼うことは、これからの長い時間を共にくらす家族を迎え入れることを意味します。そのために、以下のことについての覚悟をしっかり持っておくことが大事になります。
時間と労力への覚悟
犬は毎日の散歩、食事、排泄物の処理、遊び相手など、多くの時間と労力を必要とします。仕事やプライベートとのバランスを考え、十分な時間を確保できるかどうか確認しましょう。
経済的な覚悟
餌代、医療費、トリミング代など、犬にかかる費用は生涯にわたって発生します。計画的な資金管理を行い、経済的に余裕を持って飼育できる環境を整えましょう。
終生飼育の覚悟
犬の寿命は10年以上にもなります。一時的な感情で飼うのではなく、最後まで責任を持って飼育する覚悟が必要です。
環境への配慮
犬を飼うことによって、周囲への騒音や臭いなどの影響が考えられます。事前に近隣への挨拶や対策をしておきましょう。
しつけとトレーニング
犬との生活を円滑に進めるために、基本的なしつけとトレーニングが必要です。根気強く時間をかけて指導する必要があります。
健康管理
定期的なワクチン接種や健康診断を受け、健康管理を徹底しましょう。病気や怪我の早期発見・早期治療に努める必要があります。
家族全員の協力
犬の世話は家族全員で協力して行う必要があります。事前に家族全員で話し合い、役割分担を決めておきましょう。
思い通りにならないことへの覚悟
犬は人間とは異なる生き物です。思い通りにコントロールしようとするのではなく、犬の個性や性質を理解し、尊重することが大切です。
生活の変化への覚悟
犬を飼うことで、生活リズムや人間関係など、様々な変化が起こります。変化を受け入れる柔軟な姿勢が必要です。
一生涯のパートナーであるという覚悟
犬は単なるペットではなく、一生涯のパートナーです。愛情を注ぎ、共に成長していく覚悟が必要です。
犬を飼うことは、責任と覚悟が伴う大きな決断です。上記の点をしっかりと理解し、準備を整えた上で、犬を迎えるようにしましょう。
改めて犬を飼うときの費用についと考えてみましょう!
改めて犬を飼うときに必要な費用について考えてみましょう。犬を飼う際には、色々と費用がかかります。以下は犬を飼う際に想定される費用の一例になります。ご参考にしてください。
犬の購入費用
犬の種類やブリーダーによって価格はピンキリです。血統種や希少種は高価ですが、費用という点を考えますと里親などから引き取ることも選択肢としてあるのではないでしょうか。
フード
犬のための高品質なフードを購入する必要があります。犬の年齢、サイズ、活動レベルに応じて、適切な栄養バランスを提供するフードを選択することをお勧めします。
予防医療
予防接種や定期的な健康診断、フィラリアやノミ・ダニ予防などの医療費がかかります。それとは別に獣医師の診察費や薬代も含まれます。
トレーニング
犬のトレーニングには時間とお金がかかります。トレーニングクラスや専門家のアドバイスを受ける場合は、それに関連する費用がかかります。
トリミングとケア
ペットサロンでのトリミングや、必要なグルーミング用具の購入にも費用がかかります。また、爪切りや歯のブラッシングなどのケア用品も必要です。
保険
犬の医療保険に加入することで、予期せぬ緊急医療費や予防医療費の一部をカバーすることができます。保険料は犬の種類や保険プランによって異なりますので、専門機関にご相談ください。
おもちゃとアクセサリー
犬の遊び道具やおもちゃ、ベッド、ケージ、首輪、リードなどのアクセサリーを購入する必要もあります。
緊急時の費用
緊急時の医療費や急なケアに備えて、緊急時の費用を貯蓄しておくことが重要です。
これらの費用を考慮し、予算を立てて犬を飼う準備をすることが重要です。また、長期的な費用や急な支出に備えるために、貯蓄をすることもお勧めします。
もちろん犬を飼育するには、それ相応のお金がかかります。犬1頭の生涯にかかる費用の目安としては、小型犬であれば350万円、中型犬は460万円、大型犬では570万円ともいわれています。子犬を迎える場合は、以下のようにさまざまな出費があることを理解してから行うようにしてください。
犬を飼うときの環境整備について
以前のブログでも取り上げましたが、改めて犬を飼う際に必要な環境の整備についてお話をさせていただきます。以下は、犬を飼う際に考慮すべき環境整備のポイントになりますので、ご参考にしてください。
住居の適応
犬に適した居住空間を確保しましょう。広々とした部屋や屋外の庭があると良いですが、アパートや小さな住居でも、十分なスペースと運動の機会を提供できるような工夫が必要になります。
安全対策
犬が安全に過ごせるよう、家の中や庭の中に危険な物や場所がないか確認しましょう。電気コードや有害な植物、危険な家具などを避け、犬が傷つかないような注意が必要です。
犬用のベッドやケージ
犬が安全に過ごせるスペースを提供するために、犬用のベッドやケージを用意することをお勧めいたします。また、ケージは犬が安全でリラックスできるような工夫をすることも必要です。
トイレ
犬がトイレを利用できる場所を設けましょう。トイレのトレーニングが完了するまでは、トイレ用のシートやトイレトレーを使用することをお勧めします。
適切な温度と通風
犬が快適に過ごせるよう、適切な温度と通風を確保します。特に暑い季節や寒い季節には、適切な温度管理が必要です。
安全なフェンス
庭がある場合は、適切な高さと強度のフェンスを設置し、犬が安全に外で遊べるようにしてください。マンションやアパートのような集合住宅では、ベランダ等への安全対策と近隣住民への騒音、臭いなどへの対策が必要になってきます。
犬用のおもちゃと遊び場所
犬が退屈しないよう、おもちゃや遊び場所を用意してあげることも必要です。知的なゲームや遊び道具を使って、犬の心と体を刺激することでストレス解消にもつながります。
かかりつけ獣医師を持つ
人間でも同じで、緊急時や健康上の問題が生じた場合に備えて、地元のかかりつけ獣医師を見つけておきましょう。成長と共に関係性を築き、アドバイスを受けながら、犬の健康管理を行うことをお勧めします。
以上のポイントを考慮して、犬が安全で快適な環境で暮らせるように整備してください。
犬を飼うということは、費用と根気が必要となってきます。それでも、その何十倍、何百倍の幸せを与えてくれるはずです。