テレビのドラマやニュースで、犬がしつけや訓練を受けている場面を目にすることがあります。
公園でしつけなのか訓練なのか分からないほど厳しいトレーニングを受けている光景を目にしたこともあります。
「それって、やりすぎなんじゃ...」と、少し心が痛んだのを覚えています。
そもそも犬に「しつけ」を教えないといけないのかと疑問に思ったりします。そこで今回は、愛犬へのしつけは、どの程度しないといけないかと言う点について、お話をさせていただきたいと思います。
犬のしつけはどこまで必要なの?
しつけは、あなたと愛犬との幸せで安全な生活を過ごすためにとっても大切です。しつけの必要性や範囲は、犬の性格やあなたのライフスタイルに深く関係しますが、一般的には次のような基本的なしつけが必要とされています。
基本的なしつけ
1.トイレ
トイレの場所ややり方を覚えさせることは大切なしつけです。犬はトイレの練習を行うことにより、決められたトイレの場所で、排泄することを学習します。愛犬が決まった場所で排泄が行えるようにするための基本的なトレーニングになります。特に室内で飼っている場合は重要です。子犬のうちから教えておく必要があるでしょう。
2.基本的な指示
「おすわり」や「待て」といった指示語によるトレーニングは、食事前の犬の興奮を落ち着かせたり、散歩中に人や犬に飛びついたりする危険を回避するのに役に立ちます。「おすわり」や「待て」と言った言葉によって愛犬の感情をコントロールすることで、飼い主さんとの信頼関係や社会性を身につけることになります。
3.散歩
散歩中にリードを引っ張らずに歩くことができるようにしつけることも基本的なしつけのひとつです。愛犬がちゃんと飼い主さんのリードによって落ち着いて散歩ができるようになれば、愛犬も飼い主さんとの散歩を楽しく感じてくれるはずです。
4.社会への順応
他の犬や人との交流によって犬は色んな経験を養っていきます。そう言った社会環境に順応させるために必要なしつけになります。これを行うことで、愛犬のストレスや攻撃性を減らてして、近所のコミュニティにも慣れさせることができるでしょう。
より良い関係を築くために役立つしつけ
愛犬の特性や生活環境に応じて、以下のようなしつけも追加で行うことをお勧めします。
1.ハウストレーニング
愛犬が自分のクレートやケージなどの自分の居場所を持ち、そこで安心して過ごせるようにするしつけです。これにより、愛犬の落ち着ける場所であるという認識を身に付けることで、ストレスを与えない環境を作ってあげることができます。
2.無駄吠えをさせない
犬種や個体によっては、必要以上に吠えないようにしつけるのも必要になってきます。臆病で警戒心が強い犬には訓練を行うことをお勧めいたします。近隣トラブルを避けるためにも必ず行っていただきたいしつけです。
3.食事マナー
食事中に飛びつかない、食べ物をねだらないなどのマナーを教えることも場合によっては必要なしつけになります。食事を待てない場合や食事を人に取られることに警戒して吠えたり噛みついたりするケースも考えられます。そんな場合は、必ず行っていただきたいしつけです。
4.継続性
しつけは一度で完了するものではありません。犬の一生を通じて継続的に行う必要があります。新しい環境や状況に適応するためにも、定期的なトレーニングや復習が必要になってきます。しつけは継続して行うようにしましょう。
5.専門家のサポート
特定の問題行動が解決しない場合や、しつけに困った場合は、専門のドッグトレーナーやしつけ教室を利用することも検討しましょう。プロのアドバイスを受けることで、効果的に問題を解決できることが多いです。
しつけは、愛犬とあなたにとって幸福で快適に暮らすために必要不可欠なものです。基本的なしつけをしっかり行い、必要に応じて追加のしつけを行うことで、愛犬との健全な関係を築くことができます。
犬にしつけをする目的は何?
犬のしつけを行う目的は、あなたと愛犬の生活を快適で安全にし、健全な関係を築くことにあります。具体的には以下のような目的になります。
安全な生活を確保するため
1.危害を防ぐ
しつけをする第一の目的は、愛犬が危険な行動を取らないようにするためです。愛犬があなたやあなた以外の人や動物に対して危害を加えないようにすることがしつけの目的になります。例えば、散歩中に他の犬が散歩をしていて、いきなりとびかかったり、噛みついたりしないように訓練することは大事なことです。
2.交通事故防止
車や自転車が通る交通量の多い道路に突然飛び出さないようにすることも安全な生活を守るうえで重要なことす。しつけを行うことで、事故を防ぎ、あなたと愛犬の幸せな暮らしも守ることになるのです。
3.有害なものから愛犬を守る
愛犬が有毒なものを食べたり、危険な場所に行かないようにすることも安全を守るために必要なしつけです。散歩の途中で拾い食いをして食中毒になるケースも良く聞きます。愛犬の身を守るためにも絶対に必要なしつけです。
社会環境への適応
1.他人や他の犬との良好な関係性
他人や他の犬に対して友好的かつ適切に接することを学ぶことで、トラブルを防ぎ人間社会も犬社会もうまく関係性を保つことができます。
2.公共の場でのマナー
公園やドッグカフェなどで吠えたり飛びついたりしないようにし、社会で受け入れられる行動を取ることを目的とします。社交性が保てれば、愛犬もあなたも有効的な輪に参加することができます。
安心なくらしの確保
1.トイレトレーニング
家の決められた場所で排泄することを教えることは、とても大切なしつけです。トイレシートや庭などの一定の場所でトイレができるようになることで、清潔で安心な生活環境を保つことができます。
2.無駄吠えをさせない
犬は恐怖や主人を守るために吠えると言う威嚇行動をします。こういった無駄吠えは、近隣住民との騒音トラブルにもつながりかねません。無駄吠えをしないためのしつけは、静かなくらしを守ることにもなります。
3.家具や物の破壊
家庭内の家具や備品を噛んだり壊したりしないように教えることは、とても大切なしつけです。犬はひとりにされるのを非常に嫌う生き物です。寂しさのあまり家具をかじったり観葉植物を壊したり、トイレットペーパーなどの備品を散らかしたりします。家庭の秩序を保つためにも物の破壊しないためのしつけを行う必要があります。
信頼関係の構築
1.指示に従う能力を身につける
愛犬があなたの指示に従うことで、あなたと愛犬のコミュニケーションがスムーズになります。犬は服従心の強い生き物です。あなたに指示されることで、喜びに感じる生き物です。愛犬はあなたの指示に従うことであなたを信頼し、強い関係が築けるはずです。
2.服従心の育成
愛犬があなたをリーダーとして認識することにより、服従心を養い、しつけがしやすくなります。服従心とは悪いことではなく、あなたとの信頼関係の上に成り立っている感情ですので、良い関係性を築くために必要なものなのです。
問題行動の予防と矯正
1.攻撃性の抑制
他人や他の動物に対して攻撃的な行動を取らないようにしつけることも重要なポイントとなります。攻撃的な性格を強制することで人間社会でのトラブルをを防ぐことに繋がります。
2.分離不安の軽減
前述でも言いましたが、犬は飼い主がいないときに過度に不安になる生き物です。分離不安をなくすためのしつけにより留守番ができるようにすることは大事なしつけです。
飼い主の負担軽減
1.愛犬の管理の軽減
しつけが行き届いた犬は、日常の管理が容易になり、飼い主の負担が軽減されます。
2.トラブル回避
しつけによって犬の問題行動が減少するため、ペットに関するトラブルや費用を回避できます。
【具体的なしつけの内容】
1.「おすわり」「待て」「おいで」などの基本指示
愛犬が基本的な指示に従うようにすることで、日常生活が潤滑に進みます。
2.リードウォーキング
散歩中にリードを引っ張らないようにすることで、安全で楽しい散歩が実現できます。
3.ハウストレーニング
クレートやケージを安心して過ごせる場所と認識させることで、犬が安心して休む場所を与えることができます。
4.食事マナー
食事中に飛びつかない、食べ物をねだらないようにすることで、食事の時間を楽しく過ごせるようにできます。
愛犬のしつけは、あなたと会い犬の双方にとって多くの幸せをもたらし、健全で調和の取れた関係を築くためには必要不可欠なものです。
犬のしつけは何歳までにすれば良いの?
愛犬のしつけは、できるだけ早い段階から始めることをお勧めします。成犬になってからでもしつけは可能ですが、子犬の時よりも時間を要することがあります。具体的には、以下のような段階でのしつけが効果的です。
子犬の段階(生後8週~6か月)
1.初期の社会化
生後8週から12週の間に、他の犬や人、さまざまな環境に慣れさせることが非常に重要になってきます。この時期には社会化のゴールデンタイムとされ、社会化が進むことで将来的な問題行動の予防にもつながります。
2.基本的なしつけ
「おすわり」「まて」「おいで」などの基本的な指示を教えるのに適した時期です。また、トイレトレーニングもこの時期から始めると効果的です。
幼犬の段階(6か月~1歳)
1.継続的なトレーニング
基本的なしつけを継続して行い、さらに新しい指示やトレーニングを行うことで、犬の学習意欲を高めます。
2.問題行動の予防
思春期に差し掛かるため、反抗的な行動が現れることがあります。この時期に適切に対処することで、将来の問題行動を予防することに繋がります。
成犬の段階(1歳以上)
1.既存のしつけの強化
成犬になってからも、既に学んだ指示やルールを定期的に復習し、強化することが大切になってきます。
2.新しいしつけの導入
成犬でも新しいトリックやコマンドを学ぶことが可能です。適切な方法と一貫性を持ってトレーニングを続けることで、成犬でも効果的にしつけを行うことができます。気長に行うことが何よりも肝心です。
3.問題行動の矯正
成犬になってから問題行動が見られる場合もあります。専門のトレーナーの助けを借りることで改善が可能になってきます。
高齢犬の段階
1.適応トレーニング
年齢に応じてトレーニング内容を調整し、シニア犬が快適に生活できるようにサポートしてあげてください。
2.メンタルを刺激する
好奇心を引く遊びや軽いトレーニングを行うことで、高齢犬でも精神的な刺激を与え、健康を維持することができます。
まとめ
犬のしつけは一度に完了するものではなく、継続的に行う必要があります。子犬の段階から始めることで、効果的にしつけが進むことが多いですが、成犬になってからでも適切なしつけを行うことで良い結果を得ることができます。大切なのは、一貫性とポジティブな強化を用いて、犬との信頼関係を築くことです。