ペット先進国である欧米と日本では、犬の生活環境にどんな違いがあるの?

愛犬に対する考え方は国によってさまざまです。特にペット先進国と言われている欧米諸国では、犬は大切な家族の一員であり、人間と同様に犬も社会の一員としてその土地に溶け込んで生活しているように感じます。

日本では、犬は一昔前まで番犬として庭で飼われていました。最近になってようやく一緒に暮らす家族の一員と認められつつあります。しかし、日本はペット先進国と言われている国々と比べると、マンションやアパートでのペット禁止、デパートやレストランへの入店お断りなどの社会環境を取って見ても、まだまだ発展途上国なのだなと個人的には感じてしまいます。

そこで今回は、犬を取り巻く社会環境について、日本とペット先進国と言われている欧米諸国とを比較検証してみたいと思います。

目次

犬の生活環境にどんな違いがあるのか国別に比較して見た!

今回、日本と比較するのは、アメリカ合衆国、ドイツ、フランス、スイス、カナダ、オーストラリアの6か国です。

日本

日本の場合、先ほども申しあげたとおり、まだ発展途上と言わざるを得ない現状です。今でもペットへの虐待も多くみられ、文化的にも確立されていない部分がありますが、最近では、SDGsの影響もあり、着実に前進しているものだと感じます。現状を以下に要因別でまとめて見ました。

1.住宅環境

都市部では特に住宅が小さく、マンションではベランダしかなく、戸建て住宅でも庭がない場合が多いのが実態です。そのため、犬は主に室内で飼われており、運動をさせるための散歩が重要な日課となっており、特に大型犬の飼育が非常に難しい場合があります。

2.公共施設の利用

犬を連れて行ける公共の場所が限られています。ペット同伴可のカフェやレストランが少なく、公共交通機関でもペットの同伴が制限されています。また、衛生上の問題から法規制による制限があり、開業が難しいのが現状です。

3.社会的受け入れ

犬は家族の一員として扱われますが、公共の場ではリードをつけることや他人に迷惑をかけないようにすることが重視されます。非常に日本らしい社会性ですね。

4.法律と規制

犬の登録や狂犬病予防接種が法律で義務付けられています。都市部では犬のリード着用や排泄物の処理が厳格に管理されています。別のブログでも取り上げましたが、日本の法規制は、まだ始まったばかりです。

5.健康管理とケア

こちらも別のブログで取り上げましたが、日本の夏は高温で多湿です。暑さ対策が重要なポイントとなってきます。また、多くの住宅では狭い住宅環境なため、運動不足による健康障害もリスクの一因になっています。

アメリカ合衆国

アメリカでは、犬は家族の一員で、基本的に室内で飼うことが多く、しつけに対する意識もしっかりしており、専門の訓練士にしつけを依頼することが多いようです。また、ペットに関する厳しい法律もあり、動物を傷つけた場合は「動物虐待罪」という重い罰則が科せられます。
そして、州によってはペットショップでの犬の販売を禁止しており、動物の保護施設から犬を迎え入れるケースが一般的となっているようです。

1.住宅環境

広い土地と庭を持つ一軒家が一般的であり、犬が屋外で遊べる環境が整っていることが多いのが特徴です。特に郊外や田舎では、犬が自由に過ごせる広大な庭がたくさんにあります。

2.公共施設の利用

多くの都市では、犬にやさしい施設が増えています。犬を同伴できるカフェ、レストラン、公園、さらには一部のショッピングモールや店舗もたくさんあります。また、多くの地域でドッグランが充実しています。

3.社会的受け入れ

犬は家族の一員として深く愛される傾向が強いです。ペットに関するサービスも多岐にわたり、ペット保険、トレーニング、デイケア、さらにはペット向けのイベントなども盛んに行われています。

4.法律と規制

州や市によって異なる規制が存在しますが、一般的に犬の登録、予防接種、そして特定の犬種に対する規制などがあります。特に攻撃性が問題とされる犬種に対しては、特定のライセンスが必要な場合があります。

5.健康管理とケア

地域によって異なる気候に応じたケアが必要です。例えば、寒冷地では寒さ対策が必要であり、乾燥地帯では水分補給が重要になってきます。

ドイツ

ドイツは「犬大国」と称されるほどのペット先進国で、犬が生活に溶け込んでおり、社会に犬がいることは当たり前になっており、犬をどんな場所でも連れて行けるように環境が整備されており、犬が入れる施設がたくさんあります。
ドイツも犬に関する法律が多くあり、店頭で犬を販売することが禁止されています。犬を飼う場合は、ブリーダーに予約する必要があります。また、生後1歳までは室内飼育が法律で義務付けられています。

1.住宅環境

広い庭や自然に近い環境がある一軒家が多く、都市部でも広い公園や自然保護区が多く設置されています。そのため、犬が自由に遊べるスペースが豊富にあります。また、犬を飼う際の居住スペースに関する制約が少ないことから、大型犬も比較的飼いやすい環境です。

2.公共施設の利用

多くの場所で犬を連れて行くことができ、ペットフレンドリーなカフェやレストランも多くあります。公共交通機関でも犬を同伴できることが一般的で、特に小型犬の場合は追加料金がかからないこともあります。また、多くの公園には犬用のエリアがあり、犬がリードなしで遊べるようになっています。

3.社会的受け入れ

犬は社会の一部として認識されており、公共の場で見かけることが一般的です。多くのドイツ人が犬に慣れており、犬が社会に溶け込んでいるため、公共の場で犬を見ることは普通のこととされています。

4.法律と規制

犬の登録と狂犬病予防接種は法律で義務付けられていますが、さらに進んだ規制として、特定の犬種に対する訓練義務や犬の社会化を促進するためのテストがある場合もあります。また、ドイツでは動物福祉に関する法律が厳格であり、動物の権利と福祉が強く保護されています。

5.健康管理とケア

気候が比較的涼しく、夏でも過ごしやすいため、犬の健康管理がしやすい環境です。また、広い屋外スペースでの運動が可能で、犬の運動不足を防ぎやすいです。

フランス

フランスはヨーロッパで最も犬にやさしい国の一つとして知られています。多くの場所でペットと一緒にいることが一般的で、公共の場でも犬に対する理解が深いことが特徴です。ただし、犬種によっては法律で規制されているため、犬を飼うときは、事前の調査が必要になってきます。

1.住宅環境

都市部でも広いアパートや庭付きの住宅が多く、犬が屋外で遊べる環境が整っています。特に郊外や地方では、一軒家に住んでいる家庭が多く、犬が広々としたスペースで過ごすことができます。

2.公共施設の利用

フランスでは、犬を同伴できるカフェ、レストラン、店舗が多く、公共交通機関でも犬を同伴できることが一般的です。多くのフランス人が犬を飼っており、公共の場で犬を連れて歩くことが一般的です。

3.社会的受け入れ

犬は社会の一部として受け入れられており、犬連れの人々を多く見かけます。フランスでは、犬が人々の生活の中に自然に溶け込んでいるため、犬を連れて出かけることが日常的です。

4.法律と規制

フランスでも犬の登録と予防接種が義務付けられています。また、特定の犬種については追加の規制がある場合があります。例えば、攻撃的とされる犬種に対しては、マズルの着用や特別な許可が必要となることがあります。

5.健康管理とケア

気候が比較的穏やかで、夏でも極端に暑くなることが少ないため、犬の健康管理がしやすい環境です。また、広い公園や自然が多く、犬が十分に運動できる環境が整っています。

スイス

スイスは動物への愛護について厳しく法律で規定されており、犬に対する権利も保護されている国です。このような厳しい法律により、犬にとっても最適な生活環境が整った国であると言えます。また、スイスの自然環境も犬にとっては最適で、緑豊かな公園が多いことでも有名です。

1.住宅環境

多くの住宅が広い敷地に建っており、庭がある家も一般的です。田舎や郊外では特に広い庭を持つ家が多く、犬が屋外で自由に動けるスペースが豊富です。都市部でも自然公園や緑地が多く、犬の散歩に適した環境が整っています。

2.公共施設の利用

多くのレストラン、カフェ、ホテルが犬を歓迎しています。また、公共交通機関でも犬を同伴できることが一般的です。スイスでは自然豊かな環境が多く、山や湖でのアウトドア活動に犬を連れて行くことが一般的です。

3.社会的受け入れ

犬は家庭の一員として受け入れられており、多くの公共の場で犬を見かけることができます。スイスでは犬が家庭生活の一部として深く根付いており、犬を連れて出かけることが一般的です。また、犬の社会化としつけが重要視されており、多くの飼い主が犬のトレーニングを行っています。

4.法律と規制

犬の登録と予防接種が法律で義務付けられており、特定の犬種に対する規制も存在します。例えば、危険犬種とみなされる犬に対しては特別な管理が求められることがあります。また、スイスでは動物福祉法が厳格に適用されており、犬の飼育環境やケアについても厳しい基準が設けられています。

5.健康管理とケア

比較的涼しい気候で、特に夏は快適なため、犬の健康管理がしやすい環境です。冬は寒さが厳しくなるため、防寒対策が必要ですが、犬用の服やブーツが一般的に使用されています。また、スイスでは犬が十分に運動できる環境が整っており、自然の中での運動が日常的に行われています。

カナダ

カナダは犬を飼育している家庭が多く、犬に関する法律が厳しいうえ、動物虐待についても厳罰化されており、虐待すると逮捕されることもあります。一部の地域ではペットショップでの販売が禁止されており、犬を飼う場合はブリーダーもしくは動物保護団体から迎えることがほとんどのようで、生後3ヶ月を過ぎた犬は住民登録が義務付けられており、名札を付けないと外出ができません。また、ほとんどのレストランや店舗では、犬の入店が許可されています。

1.住宅環境

一軒家が多く、庭がある家も一般的です。都市部でも広い住宅が多く、犬が屋外で自由に動けるスペースが豊富にあります。特に郊外や田舎では、自然が豊かな環境で犬が過ごせるため、飼育環境が充実しています。

2.公共施設の利用

多くのレストラン、カフェ、店舗がペットフレンドリーであり、犬を同伴できる場所が多くあります。公共交通機関でも犬を同伴できることが一般的で、特に小型犬の場合はキャリーバッグを使用することで乗車が許可されることが多いです。

3.社会的受け入れ

犬は家族の一員として深く受け入れられており、犬連れで出かけることが一般的です。カナダでは、犬に対する社会的受け入れが進んでおり、ドッグパークやペットフレンドリーな施設が多く設けられています。

4.法律と規制

犬の登録と予防接種が義務付けられており、特定の州や都市では追加の規制があります。たとえば、リードの着用義務や犬の排泄物の処理に関する規定がある一方、特定の犬種に対する規制も存在する場合があります。また、カナダでは動物福祉に関する意識が高く、犬の飼育環境やケアについても厳しい基準が設けられています。

5.健康管理とケア

カナダは広大な自然環境を持つため、犬が豊富な自然の中で十分に運動できる環境が整っています。気候が寒冷な地域では防寒対策が必要ですが、犬用の防寒具や冬のケアが広く普及しています。

オーストラリア

オーストラリアでは犬と人々の健康を守るための厳しい法律があります。また、オーストラリアでは犬を非常に大切に扱う文化があり、公園やビーチ、カフェなど、犬を連れて行ける場所がたくさんあり、犬にとっても飼い主にとても快適な生活環境が整った国です。

1.住宅環境

一戸建ての住宅が多く、庭がある家も一般的です。都市部でも広い住宅が多く、犬が屋外で自由に過ごせるスペースが豊富にあります。特に郊外や田舎では広大な敷地があり、犬がのびのびと過ごせる環境が整っています。

2.公共施設の利用

多くのカフェ、レストラン、店舗がペットフレンドリーであり、犬を同伴できる場所が多くあります。公共交通機関でも犬を同伴できることがあり、特に小型犬の場合はキャリーバッグを使用することで乗車が許可されることが多いです。また、広大なビーチや自然公園が多く、犬と一緒にアウトドア活動を楽しむことが一般的です。

3.社会的受け入れ

犬は家庭の一員として深く受け入れられており、犬連れでの外出が一般的です。オーストラリアでは、多くの人々が犬を飼っており、犬に対する社会的受け入れが進んでいます。特にドッグパークやドッグビーチが多く設けられており、犬が自由に遊ぶことができる環境が整っています。

4.法律と規制

犬の登録と予防接種が法律で義務付けられており、各州ごとに異なる規制があります。特に犬のリードの着用や排泄物の処理に関する規定が厳格に管理されています。また、特定の犬種に対する規制や制限がある場合もあります。

5.健康管理とケア

オーストラリアは気候が温暖であり、犬にとって過ごしやすい環境が多いです。ただし、暑い夏には日陰や水分補給が重要となります。また、広い屋外スペースがあるため、犬が十分に運動できる環境が整っています。蚊やノミなどの外部寄生虫への対策も必要です。

まとめ

ペット先進国の犬事情を確認してみると、日本はまだ発展途上ということが分かりますね。国によって犬事情は異なりますが、どの国でも犬を大切にする気持ちは同じです。

日本においても最近では、ペット可のマンションも増えてきました。また、動物に関する法律も着実に整備されてきております。ペット先進国と言われている国々に追いつくためには、日ごろの私たちの行動や環境整備も大切な役割でもあります。国や行政機関、法整備だけではなく、日々、責任と思いやりを持って犬と一緒に過ごすことこそが大切だと改めて認識させられました。

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