愛犬が秋にかかりやすい病気

秋は暑さも和らぎ、食べ物もおいしくなってくる季節ではありますが、気候の変化や夏バテから身体を崩しやすい季節でもあります。これは、人間も犬も同じですよね。特に、夏から秋に変わる初秋のころは、愛犬の体長の変化には十分注意していただきたいものです。

秋といっても、まだまだ気温も高い9月下旬から10月初旬の季節は1日の寒暖差も大きく、また、雨も多くなってくるため、犬にとっては体調管理を行うことがとても難しい季節でもあります。特にシニア犬にとっては気をつけてあげたい時期ですね。

そこで今回は、愛犬が「秋にかかりやすい病気」や「特に秋に気をつけたいこと」、「食事にあける注意点」について、少しご紹介させていただきたいと思います。

目次

犬がかかりやすい病気と健康問題

冒頭でもお話をしたように、秋は気温や湿度の変化が大きくなるため、愛犬が1年の中で一番体調を崩しやすい季節でもあります。以下では、秋に犬がかかりやすい病気と健康問題について気になる点を列挙いたしましたので、是非ご参考にしてください。

1. アレルギー性皮膚炎

秋は花粉やカビ、ダニの活動が活発になり、これらが犬のアレルギーを引き起こすことがあります。アレルギー性皮膚炎では、かゆみや赤み、毛が抜けるなどの症状が見られます。

2. 呼吸器疾患

気温の変動や空気の乾燥が進むと、犬も風邪や気管支炎などの呼吸器疾患にかかりやすくなります。特に小型犬や高齢犬、免疫力が低下している犬は要注意です。

3. 消化器トラブル

秋は食べ物の変化や、落ち葉や雑草などを誤飲する可能性が増えるため、消化器系の問題が起こりやすくなります。特に下痢や嘔吐が見られる場合は早めの対処が必要です。

4. ノミやマダニの寄生

ノミやマダニと聞くと夏の病気だと思っていませんか? 秋もまだノミやマダニの活動が続いているため、寄生虫による皮膚トラブルや、バベシア症などの感染症にかかるリスクがあります。
※バベシア症:バベシアと呼ばれる原虫(げんちゅう)が犬の赤血球に寄生することによって発症する寄生虫症の一種

5. 関節炎や筋肉のこわばり

気温が下がることで、特に高齢犬や関節に問題がある犬は、関節炎が悪化することがあります。冷えからくる筋肉のこわばりや痛みを防ぐためにも、適切な運動や保温が大切です。

6. 体温調節不全

秋の急激な気温の変動により、犬の体温調節機能が乱れやすく、特に高齢犬や子犬では体温を適切に保つのが難しいことがあります。寒暖差の大きい時期には、犬が過ごす環境に気を配りましょう。

これらの病気を予防するためには、定期的な健康チェックや適切な環境管理が重要です。また、食事や運動も季節に合わせて調整すると、犬の健康維持に役立ちます。

愛犬の体調管理で秋に特に注意したいこと!

ひつこいようですが、秋は気温や環境の変化が激しい季節なので、犬の健康を守るためには、次の点について特に注意が必要となります。

寒暖差への対策

秋は昼と夜の気温差が大きくなります。特に早朝や夜間は冷えるため、散歩の時間帯を工夫したり、犬の居場所を暖かく保つようにしましょう。室内では、冷たい床から犬の体を守るためのクッションやベッドを用意するとよいでしょう。

アレルギー対策

秋は花粉やカビ、ハウスダストの増加により、犬がアレルギー症状を起こすことが多いです。定期的なシャンプーやブラッシングで皮膚や被毛を清潔に保ち、外出後は体を拭いて花粉や汚れを落とすことも大切です。また、空気清浄機の使用や、部屋の換気もアレルギーの予防に役立ちます。

食事の管理

気温が下がることで犬の代謝が変化し、食欲が増すことがあります。肥満を防ぐために、食事量やカロリーを適切に管理しましょう。特に、秋は栄養価の高い食べ物が豊富で、犬に与えすぎないよう注意が必要です。肥満は関節に負担をかけるだけでなく、心臓や消化器にも悪影響を与えます。

寄生虫対策

秋でもノミやマダニは活発に活動しています。特に散歩中に草むらや公園を歩くことが多い犬は、寄生虫に感染するリスクがあります。定期的な寄生虫予防薬の投与や、帰宅後の体のチェックが大切です。

関節のケア

寒さが強くなると、特に高齢犬や関節に問題がある犬は関節炎が悪化しやすくなります。適度な運動で筋肉を維持し、散歩の際は冷えから守るために服を着せるなどの配慮が必要です。また、寝る場所にクッション性の高いマットを敷くことで、関節への負担を軽減できます。

水分補給の促進

気温が下がると水を飲む量が減ることがありますが、脱水は依然として注意が必要です。特に暖房を使うと空気が乾燥するため、犬が適切に水分を摂れるよう、水の場所を増やしたり、湿度を保つ工夫をしましょう。

運動量の調整

涼しくなることで犬の活力が増し、運動量が増えることがありますが、急に激しい運動をしすぎると関節や筋肉に負担をかけることもあります。徐々に運動量を増やすことで、犬の体を慣らし、ケガを防ぎましょう。

免疫力の強化

季節の変わり目は犬の免疫力が低下しやすい時期でもあります。バランスの取れた食事や適度な運動、ストレスの少ない環境を提供することで、免疫力を高め、風邪や感染症のリスクを減らすことが大切です。

秋は過ごしやすい季節ですが、これらの点に注意し、愛犬の健康を維持するよう心がけることで、秋のトラブルを予防できます。

愛犬が秋に注意したい食事

秋は気温が下がり、犬の代謝や活動量が変化する季節です。そのため、食事の管理が特に重要になります。以下では、愛犬が秋に注意したい食事のポイントについてのお話になります。

カロリー管理

涼しくなると犬の食欲が増しがちです。特に活動量が増えた犬は必要なエネルギーが増えますが、逆に運動量が減った場合には太りやすくなるので、食事量の調整が重要です。肥満は関節への負担や心臓病、糖尿病のリスクを高めますので、適切なカロリー管理を心がけましょう。

栄養バランスの維持

秋は体力を維持するために、たんぱく質、脂肪、炭水化物のバランスを考慮した食事が必要です。特に、活動量が増える犬には、質の良いたんぱく質を含んだ食事が効果的です。魚や鶏肉など、消化が良く高品質なタンパク源を取り入れることをおすすめします。

季節の食材を取り入れる

秋はビタミンやミネラルが豊富な食材が手に入ります。以下のような季節の野菜や果物は、犬の健康に良い影響を与えることがありますが、与えすぎには注意が必要です。

  • カボチャ:ビタミンAや食物繊維が豊富で、消化を助け、免疫力を高めます。
  • サツマイモ:ビタミンB6やビタミンC、食物繊維が含まれており、消化に良い影響を与えます。ただし、甘味が強いので適量を守ることが大切です。
  • リンゴ:ビタミンCや食物繊維が豊富で、免疫力をサポートしますが、種や芯は有害なので取り除く必要があります。

関節サポートの食材

気温が下がると、関節の問題が悪化しやすくなります。関節ケアのために、オメガ3脂肪酸を含む食材(サーモンやアマニ油など)や、グルコサミンやコンドロイチンが含まれたサプリメントを食事に取り入れるとよいでしょう。これらは、関節の健康をサポートし、炎症を軽減するのに役立ちます。

水分補給のための工夫

秋は気温が下がると水を飲む量が減ることがありますが、依然として適切な水分補給が必要です。ドライフードに水分を加えたり、ウェットフードを取り入れることで、犬が十分に水分を摂れるよう工夫しましょう。また、暖房の使用による乾燥も水分不足につながるため、こまめに水を与えることが大切です。

高齢犬の食事管理

秋は気温の変動が激しく、高齢犬にとってストレスや体調の変化が起こりやすい時期です。高齢犬には、消化しやすく、関節や免疫力をサポートする栄養が含まれた食事が適しています。高たんぱく、低脂肪の食事や消化を助けるプレバイオティクスやプロバイオティクスを取り入れることで、消化器の健康を守ることができます。

おやつの管理

秋は特にイベントが多く、おやつをあげがちですが、与えすぎると肥満や栄養バランスの崩れを招きます。健康に配慮したおやつを選び、量も適度に抑えるよう心がけましょう。また、市販のおやつは塩分や添加物が含まれていることが多いため、手作りの野菜スナックや低カロリーのおやつが理想的です。

消化器ケア

秋は食べ物や環境の変化により、犬が消化不良を起こしやすくなります。食物繊維が豊富な食材や、消化をサポートするサプリメントを取り入れることで、消化器の健康を保つことができます。特に下痢や嘔吐の兆候が見られた場合には、食事内容を見直すことが大切です。

まとめ

秋は気温や湿度の変動が大きく、犬の健康に影響を与えるため、特に注意が必要です。寒暖差による体調不良や、花粉やダニによるアレルギー、ノミやマダニの寄生虫被害、消化器トラブル、関節の悪化が懸念されます。食事は季節の変化に合わせてカロリーと栄養バランスを調整し、水分補給や適度な運動も重要です。体調の変化に早めに気付き、健康を維持するために環境や生活習慣を適切に管理することが大切です。

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