犬の食事は市販と手作り、どっちが良いの?

犬の食事は個々の犬の健康状態や栄養ニーズに応じて異なりますが、一般的にはバランスの取れた栄養が含まれている高品質の市販のドッグフードが好ましいとされています。しかし、年齢や健康状態、個体差により市販のドッグフードが一概に良いとは言い切れないと考えています。
以前のブログでもお話しさせていただきましたが、改めて今回は両者のメリットとデメリットを比較しながら検証したいと思います。

目次

市販のドッグフードのメリット

1.栄養バランスが取れている

市販のドッグフードの最大のメリットは食事を与える際に栄養バランスを考える必要がない点にあります。特に『総合栄養食』と表示されているドッグフードには、全ての栄養素を充足したドッグフードであり、必要最小限、水とそのドッグフードだけで十分な栄養を補給することができます。

2.便利で簡単

市販のドッグフードは購入しやすく、保存しやすいため、非常に便利です。また、手軽で保存がきくため旅行や散歩にも使用が可能です。

3.種類が豊富

市販のドッグフードにはさまざまな種類やブランドがあり、飼い主は犬の好みやニーズに応じて選択することができます。

市販のドッグフードのデメリット

1.食材の品質の低さ

市販のドッグフードの中には、低品質な原材料や添加物が含まれているものもあり、品質表示ラベルだけでは見分けがつかない場合が多く、素人では品質の安全性を判断できないことがあります。

2.添加物や保存料の問題

全てのドッグフードではないのですが、安価な一部のドッグフードには、加工度が高く、栄養価が低い場合があり、また、添加物や保存料に人工的なものが多く含まれている場合があります。

3.アレルギーや消化不良の可能性

犬が特定の原材料に対してアレルギーや消化不良を起こす場合があります。表示ラベルだけでは識別できないため購入の際は注意が必要です。

手作りのドッグフードのメリット

1.体調に合わせた食事作りができる

手作りのドッグフードでは、飼い主が食材を選べるため、犬の体調や個々の好みに合わせた食事を提供できます。また、年齢、体重、体質、アレルギーなどに合わせて、食材や栄養バランスを調整することができます。

2.新鮮な食材を使用できる

市販のドッグフードよりも、新鮮で安全な食材を使用することができます。また、特定の食材にアレルギーや過敏症がある場合、手作りの食事でそれらを回避することができます。

3.食いつきが良い

愛犬の好みに合わせて食材を選ぶことができるので、食いつきが良くなります。また、新鮮な食材のため香りや味も自然なため安心して食事を与えることができます。

手作りのドッグフードのデメリット

1.栄養のバランスが取り難い

専門的な知識がないため、適切な栄養バランスを取った食事を作ることが難しい場合があります。ある程度の栄養に関する知識を習得する必要があります。

2.時間と労力がかかる

手作りのドッグフードを調理するには時間と労力がかかります。時間に余裕があり、料理を作ることに苦痛を感じないことが重要になってきます。

3.コストと管理の問題

高品質な原材料を使用すると、手作りのドッグフードは市販のものよりも高価になる場合があります。また、長期保存ができないため食中毒などの恐れもあります。

最終的な選択は、個々の犬のニーズや飼い主のライフスタイルによって異なります。犬の健康を最優先に考え、栄養バランスの取れた食事を提供することが重要です。

結局のところドッグフードと手作り食はどちらの方が良いのでしょうか。これには賛否両論があり、どちらが良いと一概に言うことはできません。どちらが良いかは、飼い主さんが選んであげると良いのですが、ここでは、少し選ぶ際のポイントをご紹介させていただきます。

コスパとタイパを考えると断然に市販ドッグフードがお得!

愛犬の食事に対してしっかりと時間を取れる方は、安心・安全な手作り食を与えても良いでしょう。しかし、忙しくて作る時間や、手作ドッグフードに関する栄養管理の勉強をする時間がない方にとっては市販のドッグフードを利用する方をお勧めいたします。

品質の良いプレミアムドッグフードなどを選んであげれば、過剰に添加物を心配しすぎる必要はないと言えます。少し価格は高くなりますが、手作りドッグフードを与えることを考えれば同等かそれ以下のコストで価値を得ることができるはずです。

価格と時間を考えると市販のドッグフードの方がお得だと言えるでしょう。

では、なぜ手作りドッグフードが流行っているの?

今、手作りのドッグフードが流行ってきているのかと言うと、その理由は、以下の点が挙げられます。

1.愛犬の健康への意識の高まり

愛犬にできるだけ健康的な食事を与えたいという意識が高まっています。市販のドッグフードには、添加物や保存料が含まれている場合があり、愛犬の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。一方、手作りドッグフードであれば、新鮮で安全な食材を使用することができることが一因となっていると考えられます。

2.SNSなどからの情報が影響

SNSなどから獣医師や栄養士による専門的な指導や情報が入手しやすくなっており、手作りドッグフードを提供する際の知識や技術が向上していること、また、市販のドッグフードに含まれる添加物や合成成分に対する懸念が高まっていることが要因となって、手作りドッグフードを選択しているものだと考えられます。

3.愛犬とのコミュニケーション

自己満足と言われるかも知れませんが、手作りドッグフードを作ることは、愛犬とのコミュニケーションにもなります。愛犬のために食材を選び、調理することで、愛犬との絆が深まるということも一因になっているものと思われます。

手作りドッグフードは、手間がかかるというデメリットもありますが、愛犬の健康と幸せのために、時間をかけて作る価値があると言えるでしょう。

手作りドッグフードの人気に関する調査結果

2023年1月にPLAN-Bが行った調査によると、販売価格が同じだったら与えたいドッグフードで最も多かったのは「市販の手作りフード」で44.1%でした。これは、手作りドッグフードが多くの飼い主さんから注目されていることを示しています。
2022年11月に株式会社バイオフィリアが行った調査によると、手作りドッグフードを与えている飼い主さんの割合は、過去5年間で約2倍に増加しています。これらの調査結果からも、手作りドッグフードが近年ますます人気が高まっていることがわかります。

具体的な調査結果

・PLAN-B

調査対象:全国の18歳以上の犬の飼い主 453人
調査期間:2023年1月11日~13日
調査方法:インターネット調査

(調査結果)

〇 販売価格が同じだったら与えたいドッグフード

・市販の手作りフード:44.1%
・ドライフード:32.2%
・ウェットフード:14.3%
・その他:9.4%

〇 手作りドッグフードを与えている理由

・愛犬が美味しそうに食べる:57.4%
・健康に良さそう:56.3%
・愛犬に安心安全なものを与えたい:52.1%
・愛犬に合った食事を与えたい:49.0%

〇 手作りドッグフードを与える際の悩み

・栄養バランスが心配:53.4%
・手間がかかる:49.0%
・時間がない:44.4%
・食材の選び方がわからない:38.4%

・株式会社バイオフィリア

調査対象:全国の18歳以上の犬の飼い主 1,000人
調査期間:2022年11月1日~7日
調査方法:インターネット調査

(調査結果)

・手作りドッグフードを与えている割合:20.0%

〇 手作りドッグフードを与え始めた時期

・5年前:10.0%
・3年前:15.0%
・1年前:25.0%
・半年前:20.0%
・最近:30.0%

〇 手作りドッグフードを与える理由

・愛犬の健康のため:70.0%
・愛犬の食いつきが良い:60.0%
・添加物や保存料を避けたい:50.0%
・愛犬に合った食事を与えたい:40.0%

〇 手作りドッグフードを与える際の悩み

・栄養バランスが心配:60.0%
・手間がかかる:50.0%
・時間がない:40.0%
・食材の選び方がわからない:30.0%

手作りドッグフードを始める際の注意点

手作りドッグフードを始める際には、以下の点に注意する必要があります。

1.栄養バランス

愛犬に必要な栄養素がバランスよく含まれているように、食材を慎重に選びましょう。

2.食材の安全性

新鮮で安全な食材を使用しましょう。多少のコスト増は覚悟してください。

3.調理方法

食材は適切に調理しましょう。そのためには、専門的な勉強や実習も必要になってきます。

4.獣医師への相談

手作りドッグフードを始める前に、獣医師に相談することをおすすめします。

手作りドッグフードは、愛犬の健康と幸せのために、飼い主さんが愛情を込めて作る食事です。手間がかかりますが、愛犬とのコミュニケーションにもなりますので、ぜひ挑戦してみてください。

両方の “良いとこどり” をしましょう!

1.市販ドッグフードにトッピングをする方法

市販ドッグフードに、手作りで作った食材をトッピングすることで、栄養バランスを補い、食いつきを良くすることができます。初心者の方はこの方法から行っていただくのが良いかと思います。

2.市販のドッグフードと手作りドッグフードを交互に与える方法

市販のドッグフードと手作りドッグフードを交互に与えることで、それぞれのメリットを活かすことができます。
メリットとしては、栄養バランスが偏るのを防ぐことができると、愛犬に飽きさせないこと、そして、手作りドッグフードを作る頻度を減らすことができるところです。

3.手作りドッグフードの材料を市販で購入する方法

手作りドッグフードの材料を市販で購入することで、手間を省きながら、安全で栄養バランスの良い食事を与えることができます。

市販で購入できる材料としては、鶏ひき肉、野菜ペースト、ドッグフード用のサプリメントがあります。
この方法につきましては、別のブログにて紹介をさせていただきます。

4. 手作りドッグフードを冷凍保存する方法

手作りドッグフードを冷凍保存することで、日持ちさせることができます。
冷凍による保存方法は、小分けにしてラップに包み密閉容器に入れ、冷凍庫で保存するのが良いと思います。

5.獣医師やフードコンサルタントに相談する方法

手作りドッグフードを与える前に、獣医師に相談することをおすすめします。相談をする内容としては、①愛犬に合った栄養バランス、②食材の安全性、③調理方法などの相談をしてみてください。

市販ドッグフードと手作りのドッグフードの良いとこ取りをすることで、愛犬に健康で幸せな食生活を送らせることができ、愛犬の長生きに繋がりますます。

まとめ

市販のドッグフードも手作りのドッグフードもそれぞれ、メリット・デメリットがあります。どちらであっても大切なのは、毎日、愛犬が食事を楽しみ、健康で長生きをしてくれることに尽きます。食事は毎日のことでもありますので、飼い主の皆さまの負担にならないことも大切なことです。愛犬の体調を毎日よく観察し、安全で安心できる方法で食事を選んであげていただくよう心からお願いいたします。

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