ドッグフードの製造方法を調べてみた!

ドッグフードは、ドライフードとウェットフードに分けることができます。どちらも非常に便利で市販のドッグフードを皆さんも利用されていることかと思います。

そもそも、市販のドッグフードはどのように作られているのでしょうか? また、自分でドライドッグフードが作れないものかと考えてしまいました。

皆さんも気になりませんか? ドッグフード、特にドライのドッグフードが作られる工程を知りたいと思いませんか? そこで今回は、ドッグフードがどのように作られているのか? 自分で作れないか? を調べてみました。

目次

ドッグフードの製造方法

ドライフードの製造工程

ドライフードの製造工程は、原材料の選定と準備材料の粉砕 混合調理と押し出し(エクストルージョン)乾燥 冷却コーティング検査と品質管理包装保管と出荷 の順に行います。

原材料の選定と準備

ペットフードのメーカーは、各会社の特色によって食材が異なってきます。主に栄養素別に下記のような食材を使用します。

  • タンパク質源 : 鶏肉、牛肉、魚など。新鮮な肉や肉粉が使用されます。
  • 炭水化物源 : トウモロコシ、小麦、米など。
  • 脂肪源 : 動物性脂肪や植物性油。
  • 添加物 : ビタミン、ミネラル、アミノ酸、保存料、風味料など。

材料の粉砕

原材料は大きなミキサーで粉砕され、均一なサイズにします。これにより、後の工程での混合が容易になります。一般的に粉砕されたときの粒度が細かいほど品質が良いドライフードができると言われています。穀物などの植物においては、粉砕することでデンプンやグルテンの粘着効果を強まるので、少ないオイルで成形しやすくなり、また粉砕によって*デンプンがα化し犬が穀物をより消化しやすい状態にすることができます。

(*デンプンα化:デンプンを水と一緒に加熱することで、水素結合が切れてミセル構造が壊れ、水分子が入り込み、でんぷんの保水性が上がり、ねばりが出てやわらかくなる状態のこと)

混合

  • 粉砕された材料を混合機に投入し、均一なペースト状になるまで混合します。これにより、すべての成分が均等に分散されます。
  • 攪拌機によって各種原材料を混ぜ合わせ、「ドライミックス」と呼ばれる生地の元を作ります。

調理と押し出し(エクストルージョン)

  • 混合物をエクストルーダーに送り込みます。エクストルーダーは、高温高圧で材料を調理し、ペースト状の混合物を押し出して成形します。押し出し口の形状に応じて、さまざまなサイズや形のフードが作られます。
  • エクストルーダーは、120~135度の高圧力で10~20秒の短時間の加熱調理を行うため、ビタミン等の劣化や損失を最小限に抑えることができます。

乾燥・冷却・コーティング

  • 押し出されたフードは乾燥機に送られます。乾燥機内でフードは水分を飛ばし、乾燥させて硬さを出します。通常、60℃~90℃の温度で1~2時間かけて乾燥させます。
  • 乾燥後のフードは冷却機で冷却されます。これにより、フードが安定し、カビや細菌の発生を防ぎます。
  • 冷却されたフードは、コーティング機で脂肪や風味を追加します。これにより、フードの風味が向上し、犬にとって魅力的になります。

品質検査

  • 最終製品は品質検査を受けます。これは、適切な形状、サイズ、色、風味があるかどうか、そして栄養価が基準を満たしているかどうかを確認するためです。
  • ペットフード安全法の基準に適合しているかを検査する上でも品質検査は非常に重要な工程になります。

包装

  • 完成したドライドッグフードは自動包装機に送られ、適切なサイズの袋や容器に詰められ、密封されます。パッケージには酸化防止剤が含まれていることが多く、品質を保ちます。

保管・出荷

  • 包装されたフードは、品質保持のために適切な温度と湿度管理された倉庫で保管されます。
  • 最終製品は各販売店や消費者に向けて出荷されます。

多くのドッグフードは、このような工程を経て作られています。各メーカーによって特殊な製造方法や製造工程、特許、規格などがあります。詳しく知りたい方は、各メーカーのホームページ等で確かめてください。

自作ドライドッグフードの作り方

ドライドッグフードを自作することは可能なようです。ペットフードメーカーと同じものを作ることは、そんなに簡単なことではありませんが、自作することは可能なようです。ただし、特殊な機械を使うことができないためにいくつかの課題も残ります。以下に、自作ドライドッグフードの作り方と考慮すべき点を説明します。

自作ドライドッグフードの作り方

材料の準備

以下の食材を栄養バランスを考慮しながら選別します。

  • タンパク質:鶏肉、牛肉、魚など。調理して細かく刻みます。
  • 炭水化物:玄米、オートミール、ジャガイモなど。炊いたり茹でたりして柔らかくします。
  • 野菜:ニンジン、ブロッコリー、カボチャなど。茹でて細かく刻みます。
  • サプリメント:ビタミン、ミネラル、オメガ3脂肪酸などのサプリメントを用意します。

調理と混合

  • 混合:上記の材料を均一に混ぜ合わせます。フードプロセッサーを使うと便利です。
  • 成形:混合物をクッキーシートに広げ、薄く成形します。もしくは、小さなボール状やクッキー状に形作ります。

乾燥

  • オーブン使用の場合:オーブンを75℃で予熱し、成形したフードをオーブンに入れ、3~4時間ほど乾燥させます。途中でフードをひっくり返して均一に乾燥させます。
  • フードドライヤー使用の場合:フードドライヤーのトレイにフードを並べ、低温設定で8~12時間乾燥させます。乾燥時間はフードの厚さによって調整が必要です。

保存

1.完全に乾燥させる

フードが完全に乾燥していることを確認します。乾燥が不十分だとカビが生える可能性があります。

2.冷却

乾燥したフードを完全に冷ます。

3.保存容器に入れる

気密性の高い容器に保存します。冷暗所で保存し、1~2週間以内に消費するのが理想です。

注意点

1.栄養バランス

市販のドライドッグフードは専門家によって栄養バランスが計算されています。自作の場合、栄養バランスを保つのが難しいため、獣医さんや犬の管理栄養士に相談して、必要な栄養素をすべて含むレシピを作成することが重要です。

2.保存期間

自作のドライドッグフードは保存料が含まれていないため、市販品と比べて保存期間が短くなります。早めに消費するようにしましょう。逆に、保存料が含まれていないということは、添加物が入っていないということなので、その分、安全だともいえます。

3.アレルギー対策

犬に特定の食材アレルギーがある場合、使用する材料に注意が必要になります。これは、市販の場合も一緒で、愛犬のアレルギーについては、予め知っておく必要があります。獣医さんに確認することをお勧めします。

4.清潔さと安全性

食材の取り扱いや調理器具の清潔さを保ち、食品衛生に十分注意してください。

5.特殊な製造機器

エクストルーダーや乾燥機、コーティング機器などのドライフードを作る際に必要な特殊機器を所持していないため、熱処理や乾燥を行う際のビタミンなどの栄養素の劣化が懸念される。

(エクストルーダー:ペースト状の原料を混練し、高温で加熱・加圧、成型・加工する機械)

家庭での自作ドライドッグフードは、犬の好みに合わせた独自のレシピを楽しむことができますが、上記の点に注意して取り組むことが大切です。

まとめ

なぜ、ドッグフードを作って見ようと思ったかと言うと、「ドッグフードの安全性」に関する記事を見たことがきっかけです。すべてのドックフードが安全ではないとは申しませんが、安全基準を満たしていても人間の食品安全基準と比較すると、ペットフードの安全基準はかなり緩いものになっております。例えば、原材料の表記は規制されているものの原産地表記の規制はされていないなど、不明な点が多くあります。そのようなことがきっかけになり、作れないか調べてみました。

愛犬の健康を守るうえでも、食品の安全性は重要になってきます。市販のドッグフードを選ぶ際も、出来るだけ安全なものを選びたいものですね。これからも、愛犬を長生きさせるためにも食事と健康についての情報をお伝えしていきたいと考えております。

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